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【スポーツセミナーレポート】Jリーグアジア戦略セミナー

Jリーグアジア戦略セミナー


日時 :2014年4月19日(土) 14:00 – 16:00
講師名 :山下 修作 (株式会社Jリーグメディアプロモーション)
場所 :ヒューマンアカデミー横浜校


【講義テーマ】
1. Jリーグの現状とこれから
2. アジア戦略の施策と意義

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【講義概要】
1. Jリーグの現状とこれから

  ・Jリーグは開幕からの20年で、日本サッカーは飛躍的に進歩を遂げた。
  ・Jクラブが日本全国へ展開された。
  ・開幕時の10クラブから、2014年現在51クラブへ。
  ・日本代表の強化が大きく向上した。
  ・ワールドカップ5大会連続出場、Best16 2回
  ・オリンピック5大会連続出場 Best4 1回
  ・Jリーグの市場規模は現在120億円で、アジア1位である。
  ・カタールが48億円で2位、豪州が22億円で4位、韓国が15億円で6位。
  ・一方、毎年2,000億円以上の資金が、アジアから欧州へと流出している。
  ・イングランド・プレミアリーグが2,500億円。(Jリーグの約20倍の市場規模)内、海外放映権料が1,300億円を占め、その内の7割がアジアである。
  ・これからはアジアの資金をアジアの為に使うことで、アジアのマーケットを大きくしていき、そのアジアの中でJリーグのマーケットを大きくしていく。
  ・毎年アジアから欧州へと流出している資金をJリーグへと向かわせたい。
  ・欧州トップリーグに負けないJリーグの強みとは何か?
  ・リーグ整備や代表強化のノウハウを、アジア各国へ無料で提供する。
  ・アジア各国の競技レベルを底上げすることにより、アジア全体の競争力を上げることにより、日本の競技レベルも向上させる。



2. アジア戦略の概要と意義
 アジア戦略の概要は、以下の通りである。

 【目的】
 アジア全体のサッカーのレベルアップ
 アジアでのJのプレゼンスを高め、事業機会を創出

 【対象国】
 東南アジア・東アジアを中心とする12国
 施策
 放送を利用した露出の拡大
 現地での様々な活動
 ASEANの選手獲得

 【進捗】
  ・2012年1月に、アジア戦略室を設立。
  ・現状、タイ・ベトナム・ミャンマー・カンボジア・シンガポール・インドネシアの6ヶ国と提携済み。
  ・その他様々な活動を通じ、国家交流の一助となっている。
  ・アジア戦略の意義は、以下の通りである。
  ・更なる地域活性が促進される。
  ・アニメや歌によって日本の認知度・好感度は高まると考えられるが、地域へと還元されることはない。
  ・地域が世界各国からの認知度・好感度が高まり、地域活性への影響を直接的に受けるというのは、サッカークラブならでは。
  ・日本企業・自治体のグローバル成長戦略が促進される。
  ・サッカー(Jリーグ)というプラットフォームを活用することで、日本企業・自治体のアジアでのビジネス機会を創出し、
 それによって利益が生むことができれば、将来的に次はJリーグへと還元されることになる。
  ・ 日本人選手・指導者のアジアでの雇用機会の創出が促進される。
  ・現在ASEAN各国のリーグでは、非常に多数の日本人選手が在籍している。
  ・ASEANでプレーしている選手に対して指導者ライセンスを取得できるよう支援することで、セカンドキャリアとしてASEAN各国リーグで指導者という選択肢が用意されることになる。
  ・メディアを通じた露出度が高くなることによって、Jリーグのイメージアップを促進させる。
  ・ASEAN選手の獲得によって、ASEAN各国に対しての地域の宣伝効果が大きく高まる。(効果に対する費用は格段に低くなる)
  ・経済側面などポジティブなニュースが露出することで、日本国内でもJリーグの価値が再認識される。
  ・国家間交流をより促進させる。
  ・外務省が力を入れている外交政策の1つに、「パブリック・ディプロマシー」というものがある。(政府と民間が連携しながら、広報や文化交流を通じて外国の国民や世論に働きかける外交)
  ・スポーツを通じた交流を増進させることにより、政財界を含めた国際関係においても非常に優位に立てるものだと考えられる。


【編集後記】
今回のセミナーでは、Jリーグアジア戦略を手掛けておられる山下氏のお話を、直接聞く非常に貴重な機会となった。
ここまで内容が盛り沢山で、距離感が非常に近いセミナーというものは、なかなか無いのではないかと思う。

現在Jリーグは、非常に厳しい局面に立たされていると言われて久しい。
観客動員数の減少、観客層の高齢化、今後の日本の人口動態、欧州を中心としたサッカー界のパワーバランス&マネーバランス。
現状維持でいることは、衰退を意味している。

この現状に対する施策は色々と考えられるが、その中でも経済成長の著しいアジア(特にASEAN諸国)をいかにJリーグのマーケットに取り込むかというのは、
将来にわたって大きな可能性がある。アジア戦略とは、そのための施策である。

本講義では、そのアジア戦略について、具体的な事例を交えて非常に詳細に学ぶことができた。サッカー(Jリーグ)の価値を活用して、
ビジネス・地域・国家の課題を解決し、それによって更にサッカー(Jリーグ)の価値を高めていくというサイクルは、サッカー界で働きたいと考えている者であれば、必ず理解しておきたいことである。
また、サッカーに限らず他の競技を目指す者であっても、そのスポーツを産業として確立させて競技面を発展させていくことを考えるのであれば、大きなヒントとなるはずである。




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