いろんな声優やナレーションの学校を調べましたが、ヒューマンアカデミーにはドラフトオーディションがあって、たくさんの事務所の方に見てもらえるチャンスがあるところに惹かれました。また、学務スタッフの方が親身に相談に乗ってくださって、今の自分に合っていると感じ、入学を決めました。

私はそれまでお芝居をしたことが全くなかったので、毎日が新鮮でした。当時は食らいつくことに必死でした。現場に立つ機会が増えた今、振り返ってみれば、本当に何もわかっていなかったんだなと思うことがたくさんあります。先生にもダメ出しばかりされていました（笑）。
「役作りのためにこうしよう！」と考えていることは特にはないですが、ヒューマンの先生に言われた「ゼロになれ」という言葉は大切にしています。
プライドや、自分の持っているものを全部捨てて役に飛び込む…と、言葉にするのは簡単ですが、体感では難しくて。強いて言うなら、頭で考えるより、身体で感じることを大事にしているかもしれません。もちろん、失敗もたくさんありますけど、まずは「楽しむ」ことを心がけています。

「自分の可能性」が広がっていくのが楽しい

『はねバド！』という作品で、ヒロインの綾乃を演じさせていただきました。 オーディションでは全力を出しましたが、「やったぞ！」っていう手応えが全くありませんでした。オーディションで実際に演じてみて、「このキャラクターをもっと演じたい！」と思っていたので、合格の連絡をいただいた時は、本当に嬉しかったです。
綾乃は、物語の途中で雰囲気ががらりと変わるので、気持ちを追うのが難しいキャラクターでした。私自身もアフレコでは毎回気持ちがざわざわしていました。自分の演技が正解だったかはわかりませんが、スタッフの方々が粘り強く見てくださり、ワンクール自分自身とも向き合えたことは、また一つ自分の成長につながっているのではないかと思います。

そうした、自分一人では答えを持っていけないところが、声優の仕事の面白いところでもあります。現場に行って、音響監督や他の演者さんとのやり取りの中で、「こういうものも自分から生まれるんだ」と、いつも新鮮な発見があるのは、すごく刺激的で面白いです。今後は、難しい役柄をもっと演じて、お芝居の幅を広げていきたいです。喜怒哀楽が激しいキャラクターだったり、シリアスな作品にも挑戦したいです！
私は思いついたらとことんやってみる性格です。やらないと、きっと後悔すると思うからです。不安もあると思いますが、声優を目指すにしても何にしても、皆さんに明るい気持ちで一歩踏み出してもらえたらと思います。